放射線治療は費用がかかることと副作用のリスクを許容することで、より効果的に癌治療が行えます。
「放射線治療」はどうしても原子爆弾の放射能汚染を思い出してしまい、身体に悪いものと思ってしまいがちです。しかし、がんに対する放射線治療は、実際は身体の機能も損なわわず、的確にがんを攻撃できる優れものです。そのなかでも特に乳がんや肺がんに対しては、放射線治療は比較的効果が大きい治療法と言われています。
放射線治療には大きく2種類あります。一つは少し離れたポイントから部位を攻撃する方法(リニアック装置やコバルト遠隔照射装置)、もう一つは部位に近づいて照射する方法(226Ra(ラジウム)や192Ir(イリジウム)などの放射性同位元素)です。
放射線治療は効果が現れるのに1ヶ月以上かかりますが、治癒成績はかなり優れています。
もちろんすべてのがん(腫瘍)を放射線で治せるわけではなく、放射線の効きにくいがんもあります。また手術が適切な場合もあります。がんの種類、進行状況によって放射線治療の選択を決定しますが、がん(腫瘍)の種類によっては、手術等よりもはるかに確実に治癒できる場合が少なくありません。
放射線治療は、手術と同じく、がんとその周辺のみの悪性腫瘍を死滅させる効果があります。原理は、悪性腫瘍に外から高エネルギーのX線を照射し、その増殖を抑えて死滅させます。健全な細胞にもダメージを与えてしまいますが、局所的な影響に留まります。
放射線の副作用としては2つに分かれます。放射線冶療している期間における副作用(急性放射線障害)と放射線治療終了後しばらくしてから生じる副作用(晩発性放射線障害)です。ただし急性の副作用は一時的であり、大半の症状は軽いものです。症状が強い際は、薬物投与や吸引によって改善できます。
ここで理解いただきたいのは、放射線治療は適用されている部位のみに副作用が生じ、そのほかの部位の症状はありえないことです。例えば肺に放射線治療を適用しても下痢にはなりません。
ただし子供の場合には放射線専門医から説明を良く聞いてから治療を受けるべきです。その理由としては、晩発性障害として成長障害があり得ます。例えば、放射線治療を受けた骨は、治療を受けていない骨と比べ成長が悪くなってしまう可能性があります。
放射線治療をうけるように言われたら副作用のことを心配することは仕方ありません。
しかし放射線は使いようではガンを死滅させることができる有益な治療法です。そのためには下記にご留意ください。
(1)放射線治療は基本的には治療部位のみ効果も副作用も生じます。
頭部以外の部位の治療をするとすれば、頭髪が抜けることはありません。頭部以外の治療においてもし頭髪が抜けたとすれば、間違いなく原因は放射線治療以外に起因します。
(2)副作用には早期発生パターンと遅延発生パターンがあります。
急性の副作用を急性放射線障害といいます。これは治療後に治る症状です。
治療が終わってから1年〜10年後に生じる副作用は晩発性放射線障害といいます。頻度は少なく、放射線を病巣に集中する技術の進歩によりほとんど見られなくなっています。
(3)病気によってその種類や進行の程度が異なり、放射線治療の手法も適用部位も違います。基本的に放射線は治療している部位にのみ影響がありますし、採用手法も様々です。それに応じて副作用もそれぞれ異なってきます。